その125 人生の逆境のときに

2017.01.22

人生の逆境のとき ヨセフの生涯③

創世記40章1-23節

監獄で他の囚人の世話をするようにまかされていたヨセフは、あるとき二人の囚人の夢を解き明かし、そのとおりになりました。しかし釈放された囚人はヨセフのことをすっかり忘れてしまい、ヨセフはさらに2年間監獄で生活することになりました。このような人生における逆境のときに、私たちはどうしたら良いのでしょうか?

1、心をまっすぐにして生きる。

兄弟たちに売られ、ポティファルの妻に偽証され、無実の罪で牢屋に入ることになったヨセフには、心の持ちようについて、幾つかの選択肢がありました。①絶望して自暴自棄になる、②人を恨んで生きる、③神に反抗して生きる、などです。しかしヨセフは最後まで心をまっすぐにして生きました。ここに私たちが人生の逆境のときに持つべき心のあり様が教えられています。

私たちの人生にもヨセフほど悲惨ではないにしても、物事が上手くいかないときがあります。期待していたような結果が得られない、何も悪いことはしていないのに、周りの人に悪意を持って見られる、行く手に希望が見えず、それが何年も続く…などです。そのような時に、自暴自棄になり、周りの人たちや環境を恨んで生きるという選択肢が存在します。しかしヨセフの生きざまは、逆境のときにこそ、心を神様に向け、まっすぐにして生きることの大切さを教えています。

2、周りの人の最善を考える。

ヨセフは最悪の情況の中でも、周りの人の最善を考えるという心を失いませんでした。ヨセフは自分が世話をする2人の囚人にこう言いました。「なぜ、今日はあなたがたの顔色が悪いのですか。」こういう言葉はヨセフが見せかけだけの心で仕えていたのなら出てこない言葉です。彼は本当に心から二人の世話をしていたに違いありません。そしてこの言葉から始まった二人との会話が、後に大きく彼の人生を動かすことになるのです。もし顔色が悪いのを知っていて何も声をかけなかったらこの会話事態がありえなかったかもしれません。周りの人の最善を考えるという心のあり様が神様の計画を推進したと言えるのです。

私たちの人生を逆境から順境へと変える鍵は、自分にだけ目を向ける心のあり方から、周りの人を思い、その人にとっての最善を願う心です。

3、神様が必要な力を与えてくださる。

この後のヨセフのように、逆境を乗り越える鍵は何でしょう?ヨセフの場合は間違いなく、夢を解き明かすことができるという特殊な能力があったことが分かります。ヨセフはこの力は神様からのものであると気付いていました。苦しいときでも、人の最善を考え、神様からいただいた自分の能力を使ったのです。

私たち一人ひとりにも、神様が必要な力(賜物)を与えてくださっています。大切なことは、それを惜しみなく、神様と人のために使うということです。私たちの信じる神様は、良いお方で、良いことをしてくださる神様です。そのことを忘れないで、苦しいときにもしっかりと神様との絆を持ち、勇気を持って生きていきましょう。

あなたがたは、世にあっては患難があります。しかし、勇敢でありなさい。わたしはすでに世に勝ったのです。 

ヨハネ16:33

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