その117 すべては心のなかから

2016.09.11

創世記37章1-35節

 父ヤコブに愛されたヨセフは兄弟たちからは嫌われ、しかも彼の見た夢が原因で、ますます憎まれるようになりました。そしてあるとき、彼は兄弟たちの手によってエジプトに奴隷として売られるという苦しみにあいます。

1、すべては心のなかからはじまる。

 ヨセフは兄弟たちからねたまれました。4節には「彼の兄たちは、父が兄弟たちのだれよりも彼を愛しているのを見て、彼を憎み、彼と穏やかに話すことができなかった。」と書かれています。そしてヨセフの夢の解き明かしを聞いてますます怒りに燃えて、ついには彼を殺してしまおうというところまで発展していきます。心の状態がだんだん抑えきれなくなって最後に行動を起こすのです。人間の行動だけを見て、その元となる心のことを無視することは、物事の一面しか見ていないことになります。人間の争いや、災いは手や足から始まるのではなく、心から始まるのです。

 私たちは日常生活のなかで、自分の心にどのようなものがあるのか吟味する必要があります。

2、神は人の心のなかからはじめられる。

 神様はご自分の計画をなそうとするときに、まず人の心からはじめられます。言葉や夢、幻を通して人の心に思いを植え付け、それを育て、ご自身の計画をすすめていきます。ヨセフは神様によって夢を与えられました。彼はその夢を語ったために、余計に兄弟から憎まれることになりましたが、結果的にはその夢のとおりになっていったのです。

 神様は私たちにも同じように、心に何かの思いを与え、私たちを動かそうとなさいます。最初は小さな思いかもしれません。とうてい実現することなど望めないような大きな夢かもしれません。しかし私たちがそれを信仰で受け止め、育もうと決心するならば、やがてそれは神様の最もよいタイミングで、人生に起こるのです。

3、人は神に与えられた思いによって生きる。

 ヨセフはこの後、何年もひどい苦しみにあいます。自暴自棄になり、兄弟を憎んで死ぬこともできました。しかし彼はいつも前向きに生き、周りの人のことを考えることができました。それは何故でしょうか?神様が彼に与えてくださった夢が彼を支えていたのでしょう。目に見える状況がどのようなものであったとしても、神様が約束してくださったことを信じて生きていたのです。

 神様の計画の実現には時間がかかります。そしてそれまでの道のりは平たんではありません。神様はその途上を一緒に歩まれ、私たちを成長させ、完全に信頼するように望まれているのです。私たち一人ひとりが神様の計画を心のなかで持ちながら、一歩一歩進んでいくなかに、人生の意味や目的があるのです。 すべてを支配してくださる神様を信じて歩んでまいりましょう。

神は、みこころのままに、あなたがたのうちに働いて志を立てさせ、事を行わせてくださるのです。        ピリピ 2:13

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