その95 「人生の舞台裏」

2016.02.27

創世記29章19-27節

 「天からのはしご」の夢を通して、神の約束を受けたヤコブはさらに旅を続け、ついに親戚のラバンの元にたどり着き、そこに身を寄せて働くことになりました。しかしそれからの年月は彼にとって過酷なものとなるのです。

1、神の訓練を受け入れよう。

 ヤコブはラバンの2番目の娘ラケルを愛し、彼女と結婚するために7年間働きました。しかし彼は騙され、姉のレアと結婚する羽目になってしまいました。そして彼はさらに叔父の元で働き続けなければならなくなりました。その後も彼は「何度も報酬を変えられる」など、叔父に苦しめられ続けることになったのです。

 前章で素晴らしい神様の約束を受けながら、彼の人生は一見すると苦しみの連続に見えます。しかしその背後で実に神様は働いておられ、様々なところで彼を助け、祝福してくださっていたのです。

 人生に苦しみや困難は避けては通れません。信仰を持ってはいても、同じように苦しみはやってきます。しかし神様に選ばれた者の特権はその人生の舞台裏では、神様が静かに働いておられ、至るところに祝福の実を結ばせてくださるということです。神様は色々なことを通して、私たちを訓練し、最も大切なことを学ぶようにと望んでおられます。苦労や困難を神様からの訓練と受け止め、神様を信頼することを学んでいきましょう。

2、神の約束を信じぬこう。

 ヤコブは長い労働の結果得たものをすべて神様の祝福と認識していました。

ヤコブは彼に言った。 「私がどのようにあなたに仕え、 また私がどのようにあなたの家畜を飼ったかは、 あなたがよくご存じです。私が来る前には、 わずかだったのが、 ふえて多くなりました。 それは、 私の行く先で【主】があなたを祝福されたからです。創世記30:29-30

彼はラバンに向かって、主が「私を祝福された」とは言わず「主があなたを祝福された」と言いました。それは彼がベテルで受けた「地上のすべての民族は、 あなたとあなたの子孫によって祝福される」という約束を信じていたからです。信仰は自分のためだけではなく、周りの人に、神の愛と祝福が押し流されるためにあります。

苦しい時にこそ、神様の約束を信じ抜きましょう。

3、神のときを待とう。

ヤコブはついに神様の言葉を受けます。

「さあ、 立って、 この土地を出て、 あなたの生まれた国に帰りなさい。 」」創世記31:13

ここに至るまで20年。長い沈黙に見えますが、ヤコブの人生の舞台裏で働いておられる神は、最も良い時に、「今だ」という声をかけてくださったのです。

信仰生活は短距離走ではなく、マラソンです。辛いことがないわけではありません。しかし背後におられる神様が、良いことをしてくださり、その結末を良いものにしてくださいます。苦しい人生の旅路の中で、神様を信頼し抜くこと。しっかりと自分の仕事をすること。人に対して柔和に接し、悪いことをされても、神に委ねること、などヤコブの生き様から教えられることはたくさんあります。良き信仰の歩みをしてまいりましょう。

神を愛する人々、 すなわち、 神のご計画に従って召された人々のためには、 神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、 私たちは知っています。ローマ8:28

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